この記事は、連続増配ETFで有名なVIGの『米国除く版』とも言えるVIGIについてまとめた記事です。
・FIREを目指している人
・VIGIの購入を検討している人
・VIGの世界版を探している人
【FIRE】米国以外に投資する連続増配ETF “VIGI” について調べてみた

VIGIというETFをご存じでしょうか?
連続増配ETFで有名なVIGではありません。
コンセプトは似ていますが、VIGは米国市場に投資をしており、VIGIは米国以外の世界へ投資をしています。
私もつい先日ツイッターで見かけて知ったのですが、米国以外で連続増配というコンセプトに惹かれリツイートしていました。
興味があるものはすぐに調べたくなるクチです。
今回はこのVIGIについて調べてみましたので、まとめていきたいと思います。
ちなみに、米国に投資するVIGの方はFIREを目指す上で選択肢の一つとなり得るという結論を出しており、別の記事にまとめています。
基本情報と運用コンセプト(VIGI)

運用コンセプトが似ているVIGと比較してみましょう。
VIGIの運営会社はVIGと同じ世界3大運用総資産を誇るバンガード社で安心です。
経費率は0.20%とややVIGより高いですが、十分良心的な範囲だと思います。
VIGIは2016年からの運用で、比較的若いETFです。
大きな経済ショックは去年のコロナショックが最初という事になるでしょうか。
このETFの運用コンセプトは、NASDAQ 国際ディビデンド・アチーバーズ・セレクト・インデックスのパフォーマンスへの連動を目指しており、7年以上連続増配している事が肝です。
VIGが最低10年以上の連続増配を要求していましたから、VIGIはやや選定基準が緩いと言えます。
ご存じの様に現在の世界市場の半分以上は米国であり、それ以外に投資するVIGIは残りの半分以下に投資する事になります。

その割には構成銘柄数を比較するとVIGが212に対してVIGIは422となっている事から、この選定基準の緩さが影響しているのではないかと推察します。
連続増配の選定基準である10年と7年、個人的には大きな違いじゃないかと考えています。
過去を振り返りますと、数年毎に〇〇ショックといった経済ショックが発生し、だいたい10年毎にさらに大きな経済ショックが起きる印象です。
コロナショック以前での大きな経済ショックと言えば2008年~2009年のリーマンショックが挙げられますね。
リーマン・ショックとは、2008年9月15日に、アメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズ・ホールディングス(Lehman Brothers Holdings Inc.)が経営破綻したことに端を発して、連鎖的に世界規模の金融危機が発生した事象を総括的によぶ通称である。
約17カ月でNYダウは50%以上下落した(S&P500はマイナス56%)
(出典:ウィキペディア)
米国に投資するVIGはリーマンショックを乗り越えて増配を続けた銘柄を多く含みますが、VIGIについてはその限りではありません。
もちろんなかには長期間にわたって増配を続けている企業も内包しますが、VIGと同条件にすると構成銘柄数は大きく低下するのではないかと考えます。
実際に調べてみようかと一瞬思いましたが、銘柄数が多くて速攻で諦めました(笑)
分配金利回りはVIGよりも低い1.25%です。
連続増配銘柄が必ずしも高配当という訳ではない、というのはVIGと同様です。
また、ここ最近急激に株価が上昇したことも影響しています。
とはいえ、長期にわたって増配しつづけるのであれば、取得単価によってはいずれは高配当化する事も考えられます。
インカム目的で運用するのであれば、VIGと同様に長期目線で考えれば十分なリターンが期待できるでしょう。
構成銘柄(VIGI)

上の表はVIGIの上位10銘柄とその割合を示しています。
米国以外の世界の有名企業が並びます。
キラキラして眩しいですね。
2番目にルイヴィトンがはいっている事に、個人的にはびっくりしました。
VIGほどとはいきませんが、それでも7年以上増配を続けるような財務健全優良企業に分散投資ができるという点もVIGIのメリットです。
FIRE達成後は生活費を配当金(分配金)等の不労所得に頼ることになります。
したがって、そのお金を生み出してくれる存在には利回りと同時に安定感が欲しくなります。
米国以外の市場に目を向けて、さらに増配というエッセンスを加味すれば、VIGIを選ぶという選択肢も出てくるのではないでしょうか。
構成セクターと市場割合(VIGI)

上のグラフと表はVIGIのセクター割合を示しています。
VIGはヘルスケア、テクノロジー、金融の割合が多いです。
エネルギーセクターや不動産(リート)セクターは比較的少ない方ですね。
これらのセクターは、やはり連続増配がネックという事でしょうか。
エネルギーセクターや通信セクターに比重を置く高配当ETFのHDV、または不動産(リート)セクターの比重が多いSPYD等と相性が良いかもしれません。
次に、VIGIの市場(国)別の構成比率です。

上位はヨーロッパ先進国が多い印象です。
日本は3番目です。
VIGIを購入すれば、間接的に13%の割合で日本の連続増配銘柄に分散投資できますね。
個人的主観ですが、やはり日本の個別株は高配当と優良な株主優待が望める一部に限定して、それ以外はオールカントリーETFのVTやこのVIGIなどのETFを利用して間接的に投資した方が無難な気がします。
もちろんこれは個人的な意見ですので、ご了承ください。
増配率(VIGI)

上の表とチャートはVIGI設定来からの分配金の推移を表しています。
まだまだ若いETFですので確実な事は言えませんが、2019年までは増配傾向にあった様です。
2020年はコロナショックの影響でバッチリ減配していますね。
前年比で-20%超の減配は結構エグイですね。
あれだけ減配で騒がれていた高配当ETFのSPYDも12月に持ち直した事もあり、前年比では-6.5%程度の減配に落着しています。
VIGにいたっては増配していますしね。
ちなみにVIGは2006年から運用されていますが、前年比で減配したのはリーマンショックの影響を受けた2009年に-4.58%、そして2013年の-1.56%のたった2回です。
さすがVIG、驚異的な配当維持・増配能力と言えます。
これに比して、VIGIの2020年分配金は前年比でー20%超の減配です。
どうでしょうか? 正直がっかり感が否めませんね。
これは米国は株主還元の気概がとても強いのに対して、その他の国はそれほどでもないという違いではないかと推察します。
日本企業なんてすぐに減配発表しますしね。 もっと気張らんかい!と思います(笑)
選定基準がVIGより緩い連続増配7年以上である事や、2020年の大幅減配という実績は、インカム投資家にとっては信頼性や確実性という観点でVIGにやや劣後すると考えます。
増配率を調べた結果やや魅力を失いましたが、増配している企業を集めている事には違いないはずなので、今後の推移に期待です。
VIGIの株価の推移について

出典:yahoo finance
上のチャートは2016年2月にVIGIが設定されてから現在までの株価の推移を表しています。
米国以外の市場を反映した動きと言えます。
2020年3月にコロナショックによる大底を経て、現在は高値を更新し続けています。
30年ぶりの高値を記録した日経平均と似たような動きです。
設定来で74%弱、株価が上昇しています。
明らかに高値圏を推移していると思われるので、今インするのは少々気が引けますね。
大底だった2020年3月に購入できたとしても分配金利回りは2%程度です。
購入するタイミングはやや慎重になりますね。
ただ、長期目線でみればもっと上がっていくかもしれませんし、あるいは大きな調整があるかもしれませんし、何が良いのかは個人の判断によりけりです。
コロナショック時の最大騰落率は30%程度で、VIGとほぼ同程度です。
また、その後はチャートからも見て取れる様に力強い回復を見せてくれました。
去年に限っては比較的ディフェンシブな動きを見せたと考えられます。
まだデータは少ないですが、VIGと同様にリセッション時の資産維持に貢献してくれるかもしれませんね。
おわりに(米国以外に投資する連続増配ETF “VIGI” について調べてみた)

VIGIは
・米国以外の市場で7年以上連続で増配している銘柄に分散投資する事が可能
・銘柄選定基準がVIGよりやや緩い
・2020年の分配金はー20%超の減配
・設定来で74%の株価上昇、更新中
・コロナショック時の暴落率や株価の回復についてはVIG同様のディフェンシブ性能を確認
【総評】
現時点では、インカム投資家にとって信頼性や確実性という観点でVIGにやや劣後すると考えらえるが、まだまだ若いETFであるので今後のパフォーマンスに期待
今回は以上となります。
最後に投資は自己責任です。投資活動をする際は色々調べて納得してからにしましょう。
いつかはFIRE!
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兼業投資家30代。
共働き+夫婦で投資。
就職⇒海外勤務を希望し英語を猛勉強⇒米駐在2年⇒FIRE(経済的自由と早期退職)に影響を受ける⇒資産運用しつつ投資ブログを運営。
投資歴は5年。
SPYD,HDV,QQQ,VIG,楽天VTI積立中。
最近不動産投資も勉強中。
バリスタFIRE(サイドFIRE)を目指してます。
当初5000万円の資産形成を目標とします。